2024.10.09
独立したM&Aアドバイザーのソーシング手法
- M&A
- スタートアップ
さて、今回はM&A企業におけるアウトソーシングの話について。
M&A(合併・買収)のアドバイザーとして、案件のソーシングは非常に重要な業務だと思っています。特に独立したアドバイザーの場合、いかに効率よく案件を見つけ、取引を成立させるかが成功の鍵となります。本記事では、独立したM&Aアドバイザーが案件を獲得するための手法について解説します。
インバウンドとアウトバンド
まず、M&Aアドバイザーの案件ソーシングには、一般的にアウトバウンドとインバウンドという2つのアプローチがあります。アウトバウンドは、アドバイザーが積極的に売り手や買い手にアプローチし、取引の機会を作り出す手法です。具体的には、電話営業(テレアポ)やダイレクトメール(DM)などが一般的ですが、近年ではこれらの手法に限界が見えてきています。特に電話営業に対しては規制が強化される動きがあり、将来的には制約が大きくなる可能性があるため、新たなソーシング手法が求められています。
一方で、インバウンドのソーシングは、アドバイザー自身が持つネットワークや信頼関係を通じて案件が自然と集まる仕組みです。これにより、取引の確率を高めることが可能になります。特にM&Aの世界では、紹介による案件の獲得が重要で、これが成約の大きな鍵となります。
僕は、独立したM&Aアドバイザーがネットワークを活用してソーシングを強化するべきだと思っています。理由としては、「異業種との連携が重要であり、DMや電話営業に頼らないソーシングの仕組みを作ることで、案件の成約確率を向上させることができる」からです。また、紹介を通じて案件を得ることは、アウトバウンド営業に比べて費用対効果が高く、将来的な規制強化にも対応できる点で有利です。
MAgnetの取り組み
そのため、弊社のMAgnetではインセンティブ付きの紹介制度を構築することを検討しています。この制度は、アドバイザーが他のアドバイザーや関係者に案件を紹介し、その案件が成約すると、紹介者に売上の一部が還元されるという仕組みです。このような報酬制度を導入することで、案件を積極的に紹介してもらいやすくなり、ネットワークを活用したソーシングがさらに強化されます。
M&Aアドバイザーにとって、ネットワークの活用と紹介制度の導入は、今後の成長戦略として欠かせない要素です。特に1人で活動する独立アドバイザーにとって、こうした制度を取り入れることで、より多くの案件を獲得し、成約に繋げることが可能になります。
業務効率化への支援
また、M&Aのアドバイザリー業務では、AIと人間のハイブリッド型のサポートも注目されています。ある参加者は、AIを活用した業務効率化について触れ、「フロント業務はAIが担当し、対人業務は人間が対応する」と説明しています。こうしたAI技術の導入により、アドバイザーは効率的に業務をこなせるようになり、より多くの案件に対応することができるようになります。
最後に、M&Aの案件ソーシングを効果的に行うためには、業界の最新トレンドにも敏感である必要があります。たとえば、最近では「BPaaS」と呼ばれる新しいビジネスモデルが注目されています。これは、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とSaaS(サービスとしてのソフトウェア)の組み合わせで、秘書業務や事務作業をアウトソーシングしつつ、プロダクトを提供するビジネス形態です。このような新しいモデルを取り入れることで、業務の効率化とコスト削減を図りながら、より多くの案件をソーシングすることが可能となります。
まとめとして、独立したM&Aアドバイザーが成功するためには、ネットワークを活用した紹介制度の導入と、最新技術を駆使した業務効率化が重要です。アウトバウンド営業のみに頼ることなく、インバウンドで案件を自然に引き寄せる仕組みを作ることを支援していくスキームが、今後の成長に繋がると確信しています。